海の底のブログ

左利きのペン事情

特に手書きが必須な職業ではないので、一般的には普段使いのペンと言えばボールペンで良いとは思いますが、昔から私はボールペンだと字が上手く書けません。というかそもそもちゃんと線が引けません。

右利きの人に渡すと普通に書けるのでペンが壊れてるわけでもなく、多分自分が左利きのせい。

左利き全般がそうなのかは分かりませんが同じ悩みを抱えてる人もいるんじゃないかというわけで、備忘録も兼ねて普段使ってるペンについて書きたいと思います。

左利きがボールペンと相性が悪い理由

ボールペンの構造として軸にはさまれたボールが回転してインクが出る構造になっていますが、以下の理由で左利きの書き方と相性が悪いようです。

  • ボールペンはある程度傾けて書いたほうがボールの回転がよくなるが、手が汚れないようにペンを立てて書くため、ボールの回転が悪くなる。
  • かといって右手で持つのと同じように左手で書くと常に押し書きになり、ボールに圧力がかかり回転が悪くなる。

あれ、詰んだ・・・。

なんとかして左利きでボールペンで書くなら

ボールの転がりやすさはペン先の太さやインクの粘性も関係があり、細字のゲルインキボールペンとか相性は最悪です。

逆に何とかしてボールペンで書く場合、太字で油性インクのボールペンかタンクにある程度圧力がかかっていて押し書きでもインクが出るボールペンなら比較的書きやすいです。

店頭で試し書きした感じだと、三菱鉛筆のJETSTREAMとかパワータンクの0.7mmとかが書きやすかったです。

まあ、それでも字がかすれたりインクが玉になったりするのが皆無にはなりませんが、書けるだけでもだいぶストレスは違います。

ボールペン以外に解決策を求める

書けなければ使わなければ良いじゃないという訳で、さくっとボールペンを捨てて別のペンに解決を求めることにしましょう。

というわけで、ここからは私が使って書けたペンをつらつらと紹介します。

鉛筆系

恐らく説明不要ですが、顔料を固めた芯を紙にこすりつけ顔料の軌跡を残すことで筆記する筆記具です。

ペンの向きや持ち方の影響をあまり受けないので左利きでも問題無く書けます。

鉛筆

これも恐らく説明不要ですが、芯を木で挟んだいわゆる一般的な鉛筆です。

左利きでも書けますが、消せるということが利点でも欠点でもあるためこれだけで全てまかなうのは大変です。

あと削らないと使えないのが微妙にめんどい。

シャープペン

鉛筆より細い(0.5mmとか)芯を樹脂や金属の軸で固定して使う筆記具で、現在ではノック式で芯を繰り出して使うものが殆どです。(他にもノック式発明以前は主流だった回転式といってネジの回転で芯を繰り出す機構のものもあります。)

削らずに使える鉛筆の代替として使われています。欠点は芯が細いので折れにくい芯を作ることを優先しているため書き味が悪い(気がする)こととそれでも細いので結局は筆圧が高いとボキボキ折れること。

芯ホルダー

鉛筆系は今はこれを使ってます。作りはだいたいシャープペンと同じですが、2mmとかの太い芯を使うため、簡単には折れません。

使用感もシャープペンというよりは鉛筆に近く、絵描きにお勧めです。

私はステッドラー社のMARS 780Cというのを使ってます。

工業デザイナーのジョルジェット・ジウジアーロ氏が愛用していることで有名で本来は製図用ですが、 私は(今は製図はしないので)絵を描いたり思いつきをあーでもないこーでもないと書き殴ったり消したりとかいうのに使ってます。

シャープペンと同じく芯を繰り出せば削らずに書けますが、シャープペンと違ってだんだん太くなるので、とがらせるには専用の芯削りで芯をとがらせる必要があります。

万年筆系

毛細管現象という仕組みでインクをペン先に送りこんで筆記する筆記具で、高級文具の代表格ですが安いのもあります。

先端にペンポイントという耐摩耗性の高い玉が溶接されており、メンテナンスさえ怠らなければ名前の通り半永久的に使えます。

左利き用もありますが、筆圧を殆どかけずに書く事が出来るため、ペン先の向きさえ気をつければ左利きでも問題無く書けます。(結構ペンの向きにシビアなので持ち方を間違えると書けないです。)

欠点はメンテナンスを怠ったり、しばらく使わなかったりするとインクが固まってすぐ書けなくなります。

また、かつては公文書の筆記は化学反応で定着するブルーブラックインクを使うため、万年筆かローラーボール(ほぼボールペン、インクが違う)しか使えない時代がありましたが、 現在の万年筆はほぼ染料インクで特別耐久性が高い訳ではないのでサインペンの仲間扱いで使えない役所もあるようです。

プラチナ万年筆 プレピー

200円台で買える格安万年筆で、見た目は値段相応に安っぽいですが、ちゃんと万年筆ぽい書き味です。

キャップにも乾燥対策のための工夫がしてあり、キャップさえしてあれば少しくらい使わなくても書けなくなったりはしません。

安いので書けなくなったり無くしたりしてもダメージが少ないのが良いところ。

ちなみに、他の格安ペンにも言えることですが、うっかり1本単位で通販で買うと本体と変わらない金額の送料が付いてきたりするするので注意。

無印良品 丸軸アルミ万年筆

こちらは無印良品で売っている1000円くらいの格安万年筆です。

200円のプレピーよりは高級感のある外見で値段も手頃。ちなみにOHTOのOEMで値段の割に出来も良いです。

ペリカン等のヨーロッパ標準規格のコンバーターが使えるのでカートリッジだけでなくボトルインクを使うことも出来ます。

ペン先も海外規格なのか日本のペンよりも若干太字ですがインクフローもよく書きやすかったです。(ただし安いので個体差があるかも)

この辺使ってみて良いなと思ったらラミーのサファリとか3000円~のものに手を出すと良いと思います。

このクラス以上になると左利き用もありますし、お金を出して調整しようかという気分にもなってきます。

ファイバーチップペン系

樹脂製のペン先にインクを送って書くタイプの筆記具です。

ペンの角度や向きにシビアでないペンが多く、左利きでも書きやすいですが、ペン先が弱く筆圧が強いと壊れたり、 またそうでなくても使っているうちに摩耗していくため使い捨てのペンが多いです。

ぺんてる プラマン

どちらかというと万年筆の仲間のような気もしますが、一応プラスチック(樹脂)製なのでこちらに。

より安価で使いやすい万年筆をということで開発されたプラスチック製のペン先の万年筆です。

結果、万年筆とはまた違った独特の書き味となっており、そのためファンも多いです。

さすがに本家の万年筆と違ってプラスチックのペン先は書いているうちに摩耗するため使い捨てで、 本体ごと使い捨てのプラマンと軸はそのままでペン先付きのインクカートリッジが交換できるトラディオプラマンの2種類があります。

安価(使い捨てなら200円)で万年筆ほどペンの向きにシビアでなく、軽い筆圧でも書けるため、左利きでも非常に書きやすいのですが、 インクの乾きが遅く手が汚れる上に手に付くと洗ってもなかなか落ちないのが困りどころ。

Parker 5th

似てるので勢いでここに入れちゃいましたが、あんまり自信が無い・・・。

鉛筆でもボールペンでもローラーボールでも万年筆でもない第5の筆記具ということで5thという名前なのだそうです。

ペン軸もほどよく重く、引っかかり無くすらすらと書けますしインクの乾きも速いので書いてすぐ触ってもまず手が汚れることはありません。

良いことずくめですがその分、値段もお高くペン自体が1万円~2万円くらいしますし、替え芯が1本1000円と高いためコストパフォーマンスは非常に悪いです。

このペンもペン先が摩耗する(元々割と太字なため、最後の方は結構太くなります)ためインクはペン先ごと交換するようになっています。

また、非常に紙を選び、普通の万年筆なら大丈夫な紙でもあっさり裏写りしたりします。

以前は普段使いで使ってましたが何度か無くしそうになる上に無くすとダメージでかいため、今は何か気が乗らないときに気合い入れて書くために使ってます。

サクラクレパス PIGMA (ミリペン)

巡り巡って現在主に使用しているペン。

ペンの太さがミリ単位で記載されていることから通称ミリペンと呼ばれているペンでいろんなメーカーが販売しています。

コミックやイラストのペン入れに使う画材だったりしますが、細く一定の線が書けるのでメモ帳や手帳に書き込むのにも向いています。

種類があってどれを買うか迷ったんですが、メジャーで評価が高いという噂のサクラクレパスのPIGMAシリーズを選びました太さは03の黒、青、赤を使ってます。

耐水性の顔料インクで乾きも速く、乾くと水に濡れてもにじまないため、外でメモするのに向いてます。

紙との相性

鉛筆やボールペンで問題になることは少ないでが、殆どの筆記具は紙との相性があります。

どうにもならないところでいうと、万年筆やファイバーチップペンは筆圧をかけて書く事が出来ないため、カーボン紙などの複写式の用紙に書くことが出来ません。

また、特に万年筆や、プラマン、Parker 5thなどは万年筆を想定した手帳用の紙でないとインクが裏に抜けて両面に書けなかったりします。

機会があればノートやメモ帳、手帳などの話も書きたいと思います。

まとめ

改めて書き出してみると、私の場合、最終的には芯ホルダーやミリペン等、筆記具というか画材寄りの道具に落ち着くようです。

でも万年筆はまた使いたい。(ラミーのサファリ辺りを買おうかな。)